86・87日目 愛媛県松山市~久万高原町~今治市
86日目
ネカフェで昼頃までのんびりし、昼過ぎからお遍路の残りを回りつつ、久万高原町にある44・45番札所を目指す。
峠を登っていると、夕暮れ時に。
そして日が落ち、松山の夜景が美しく光る。
カメラの性能がアレなので夜景写真はうまく撮れない…。
そんなこんなで日が沈んだ時間に標高720mの峠を越える。
道が広く、ぼちぼち街灯もあり、傾斜も緩かったので案外余裕で突破できた。どこかの国道439とは違って。
そしてこの日は標高500mくらいの地点でプチ高原野宿。防寒をしっかりして寝に入る。
87日目
朝起きると、気温は氷点下1℃。
やはり、高原は昼夜の寒暖差が激しく、朝晩の冷え込みが強烈。長野県に住んでいた時を思い出す。
撤収していると、昨晩僕に話しかけてきて飲み物を奢ってくださった方が再び僕のところに来る。
そして、なんとまた飲み物を奢ってくださり、差し入れのみかんも頂きました!!
ありがとうございました!!
気温は低くても、人が暖かい。素晴らしい町。
44番札所を回り、難関と噂の45番札所、「岩屋寺」へ向かう。
岩屋寺の麓に到着すると、歩きで階段を登るコースだけになる。看板には「本堂まで徒歩約20分」と書いてあった。
なるほど、これは難関どころか寧ろ楽勝だ。
重積載自転車を置いて、歩きで登れるのはボーナスステージ。ガンガン登ってゆき、5分ちょっとくらいで登頂。
お参りしてサッと下ると、麓の売店の人に「あれ、さっき登って行った人だよね!?速いね~もう戻ってきたの!」と話しかけられ、色々話をしていると、またしても差し入れを頂きました!
ありがとうございました!!暖けえ…。
その後、再び松山に戻り、残った札所を回りながら今治を目指す。
松山~今治間の海岸線も中々綺麗だった。
そして、今治市に到着し、最後の54番札所をお参りする。
これにて、四国一周&お遍路終了!!!
お疲れ様でした!!
いや~、本当に長かった。
お遍路もやりきったけれど、僕のお遍路はかなり適当にやっていた(時間過ぎて門が閉まってた寺は外で拝んで終わりとか)ので、「お前のはお遍路じゃない」とか、「それじゃあお遍路をやりきったとは言えん!」とか言われればそれまでですが、僕の中では達成しました。
途中で、「お遍路の真似事」だの辞めなさいだの言われたこともありました(根に持ってますよ)が、最後まで辞めたいという気持ちを噛み締めつつもやりきれて良かったです。
何が変わったかと言えば特に何も変わってないかもしれませんが、満足はしています。
お遍路、本当に辛かったです。何度も何度も辞めたいと思いましたし、山を登ってる時に、もう諦めて引き返してブログやTwitterに辞めた言い訳でも書こうと言い訳の文章を考えてたこともありました。
ですが、何故か引き返す方向に足が進みませんでした。「ここで引き返したら、僕が僕を許せない」と思い、結局やりきりました。
85日目 愛媛県西予市~松山市
朝はかなり冷え込む。
最近は5℃を切る日も珍しくなく、野宿が中々厳しい季節になってきた。
寝袋とアルミシート、エアマット&エア枕で寝冷えは防いでいるが、寝袋から出るのが辛い。
しかし、今現在極寒の東北で野宿自転車旅をしているチャリダー仲間もいるので、弱音は吐いていられない。
そんなわけで、今日は松山市へ向かう。
その前に、西予市にあるお米博物館へ訪れる。
学校の旧校舎を使った博物館で入場料は無料。
お米の歴史等が学べる。
…というのは表向きの説明で、ここに来た真の目的は、「ぞうきんがけレース」に参加する為だ。
この、全長109mもある長い廊下を、ぞうきんがけにてタイムを競う。過去にはテレビで紹介されたこともあり、多くの芸能人がチャレンジしていた。
僕も、折角なのでチャレンジした。
スタートし全力でぞうきんがけをする。
見た目以上に廊下が長く、途中で足に力が入らなくなり、足がもつれてコケてしまう。
すぐに立て直し、また全力で走る。
そしてゴール。結果は
29秒40。
歴代トップはなんと18秒。僕より10秒以上も速いんか…。
20代の平均は45秒であり、施設の人曰く「30秒切るのは結構速い」とのことだったが、トップクラスの人たちには10秒差をつけられてると思うと、なんだか悔しい。
なにはともあれ、全力を出してスッキリとした気分になった。この記事を読んだ方、是非ともチャレンジしとみてくださいね。
その後、八幡浜へ。
佐田岬半島へ道が続いていたが、先の予定があるので、今回はスルーした(早く四国から次のステージに進みたかったというのもある)。
八幡浜を越え、海沿いの国道378号線へ。
なだらかな傾斜の走りやすい、景色の良い海岸線。
しかし常に吹きすさぶ向かい風と、走っても中々変わらない風景に苦しめられる。
途中、下灘駅という海が見えることで有名な無人駅があったので寄ってみた。
これは美しい。
そしてめちゃくちゃ人が多い。
偶然電車がやってきたが、ほとんど人は乗り降りしなかった。なのにホームは人だらけ(笑)
松山市へ到着し、Twitterで声をかけてくださった方と合流。
車に乗せて頂き、道後温泉へ連れていって貰った。
温泉に浸かったのだが、なんと途中で完全にのぼせてしまう。
暫くめまいや吐き気に襲われて苦しんでいたが、少し休んだらスッキリ良くなった。今度から気を付けよう。
その後、ご飯も連れていって頂いた。
ありがとうございました!!!
そしてお騒がせしてすみませんでした。。。
お別れし、今日はネカフェに泊まりに行く。
暫く寒い中、野宿で頑張ってきたのでたまには自分にご褒美。
松山市の華やかなアーケード街を望む。
うむ。流石は四国最大の都市。
今日はゆっくり休み、明日も昼頃までゆっくりするぞ~!
明日と明後日で、残りのお遍路を回り、遂に四国を抜けます。いや~長かった。
83・84日目 高知県土佐清水市~愛媛県愛南町~
83日目
土佐清水から愛媛県を目指す。
途中にあった展望台付近の東屋が、猫の楽園だった。
恒例のじゃれあいタイム。こんなことしょっちゅうしてるから進まんのよね…。
そしてついに、高知県脱出!
再び戻ってきた愛媛県。
あとはお遍路をコンプリートし、今治市に戻れば四国一周達成となる。
ここから少し進んだ先でこの日は終了。
84日目
愛南町から、松山方面へ走る。
やたら長い歩行者自転車用トンネルがあった(915m)。
この辺りの国道は道端、路肩共に狭く、大型車もバンバン通って非常に走りにくい。
その上アップダウンは激しく、おまけに常時吹きすさぶ向かい風が僕の体力を奪っていく。
負けてたまるかとペダルを回して進んでいく。
途中、ちょうどいい公園があったので腹ごしらえをするかと調理器具を取り出し、米を持ち上げたら何故か米の袋の封が解けていて、ザーッと勢いよく米が流れ出した。
………。
まあ、地面にぶちまけなかっただけマシか、と気を取り直し、大部分はその場で炊いて食った。旅してると衛生概念が無くなる。
その後、宇和島市を越えてお遍路41・42番札所を回り、峠を越えて西予市に到着したところで今日はここまで。
明日は、八幡浜を経由して松山市へ向かいま…しょうかちょっと迷ってます。佐田岬半島をスルーするかしないかで悩み中です。
81・82日目 高知県四万十町~四万十市~土佐清水市
高知県脱出、まだ出来ませんでした…。
81日目
やはり昨日四国カルストへ登ったこと、夜に長時間走っていたこともあり疲れがかなり出ていた。
そんなときはゆっくり進めばいいやと思ってのんびりと進む。
四万十市へ向かう途中、公園で荷物を積んだ自転車を発見。
傍らにはやたらムキムキな持ち主がいたので話しかけてみると、なんと茨城県から来て、僕と同じく日本一周チャリダーだった!
意気投合し、一緒に四万十市へ。
そしてこの日は二人で野宿。
ご飯を食べながら色々と語り合った。
82日目
一緒に野宿した彼とお別れをし、佐田沈下橋へ。
実際にここに来てみると、意外と橋が高い位置にあってめちゃくちゃ怖い。
仮に落下したら死にはしないと思うが大怪我はしそうだ。
車同士のすれ違いは、ちょっと広くなっているところでできそうな感じ。
渡ってみると、中々爽快感がある。
その後、土佐清水方面へ向かう。
四国最南端である足摺岬を目指して走る。
途中、美しい夕焼けを観測。
そして四国最南端、足摺岬へ到達!
日が暮れたので今日はここまで。
日に日に日没が早まるのでどうしてもナイトランが増えてしまうのが辛いところ。。。
80日目 高知県津野町~四万十町
標高が高めの場所で野宿していたため、朝はかなり冷え込んでいた。
なんだか住んでいた長野県を思い出す。
支度をし、四国カルストへ向かう。
カルスト玄関口。
四国カルストの天狗高原へ繋がる林道に入る。
ひたすら中程度の傾斜がだらだら続く。
登っていたら昼になり、お腹が空いてきたのでその辺で腹ごしらえ。
そうしていると、Twitterで応援してくださっている高知の方が僕の元へ来てくださった。
差し入れを頂きました!!ありがとうございました!
少し歓談した後、再び登り始める。
散々登って疲れた所に、平均勾配10%の急坂か2km続く苦しい区間に突入。
もう僕の身体全体から「自転車を漕ぐのを辞めろ、もう力を入れたくない」という悲鳴が聞こえた。
四国カルストを見たい、走りたい、ここで諦められないという気持ちで身体に鞭を打ち、満身創痍になりながら登る(毎回満身創痍だな……)。
そして15時頃、漸く天狗高原・五段高原に到達。
奥まで見渡せる一本道。
これを一気に下る爽快感は壮絶だった。
…しかし、「あれ、こんなもんか…。」とちょっと思ってしまった。
というのも、長野県在住時代に散々霧ヶ峰や美ヶ原、高ボッチや乗鞍等の高原を見てきたので、特別珍しい景色に見えなかったことに加えて、道中の苦労から「ここの乗り切れば感動の景色が広がる!」という過度な期待をしてしまったことがあった。
勿論、素晴らしい絶景だったことは間違いない。
下山し、麓の道の駅で野宿しようかと思い道の駅に到着すると、なんと道の駅全体が傾斜の上にあり、道の駅全体が傾斜していた。
流石にこれはどう頑張ってもテントを設営して寝ることは出来ない場所だった。
日が暮れ始め、どうしようか迷ったが、結局もう35km程走って四万十町の道の駅へ行くことにした。
そして四万十町へ向かったのだが、ここで通らなければならない道路が、「国道439号線」。
道路に詳しい人ならすぐにピンと来る番号だと思うが、この国道はいわゆる『酷道』だ。
よく439とかけて「与作(ヨサク)」や「与作酷道」等と呼ばれ、日本三大酷道の一つでもある(あと二つは425『死にgo』と418)。
暗くなって来たので走りたくはなかったが、やむ無し走ることにした。
林道を通り国道439に入ると、最初は広い二車線で街灯もあり走りやすかったが、少し進むといきなり一車線になり街灯は消え、林の中になる。というか完全に林道。
更に、この街灯無し家無し一車線のアップダウンありカーブだらけという役満のような区間が平気で20km以上あり、精神的にも肉体的にもかなりキツかった。幸い、一週間前にヘッドライトを大容量かつ高光度の新しいものに取り替えていたので、明かりを心配せずに走ることができた。
とりあえず精神を健康にするため、スピーカーで曲を爆音で流しながら走った。
20時頃、漸く道の駅に到着。
二時間半程真っ暗な林道を走っていた。
ホント、パンクとかしなくて良かった…。
明日は、四万十を巡り、高知県脱出を目指します。
78・79日目 高知県高知市~土佐市~津野町
78日目
辺りが明るくなる頃に目覚め、朝焼けを拝みに行く。
夕焼け、黄昏も良いけど朝焼けもいいね。
午前中は友人と歓談しながらだらだらと過ごす。
同年代の友人と話す機会は中々ないので、本当にありがたい。
二人で桂浜へ移動。
坂本龍馬像、思ったよりでかかった(7mくらいあったかな?)。
二人で桂浜を観光し、アイスクリンも食べ、ここで友人とはお別れ。
友人はこれから香川県高松で「ゲストハウスイーハトーブ」の経営を親父さんと共に行っていくのだそう。頑張れ!!
そしてこの日は33~35番札所を回り、36番札所の近くで野営。
79日目
昨晩の野営地にて、夜10時頃に暴走族らしき集団が来訪。
遂にこういう目に逢うときが来ちゃったか…と思いながらも、もし何か因縁つけられたり絡まれたりしたら普通に訳を話せば分かってもらえるだろうと妙な自信もあり、意外と落ち着いていた。
僕のテントを見つけるなり「テントがある!!」と声をあげていたが、特にその後はこちらに干渉することはなかった。
眠かったので再び寝に入り、起きた時には普通に朝を迎えていた。
なんというか、僕は今まで自転車で世界を巡った人たちの「強盗に逢って金品を強奪された・銃を突き付けられた」とか「ゲイに犯されそうになった」とか「40℃超えの酷暑・-20℃以下の酷寒で死にかけた、マラリア等の感染症に…」等々、奇想天外はちゃめちゃな話を聞いていたので、日本で起こる危険な出来事なんて大したことないなと感じてしまう(とか余裕ぶっこいてるといつか痛い目に遭いそうだけど)。
して、近くに野良猫の楽園があったのでひたすら戯れる。
ああ…めちゃくちゃ癒された……。
実は僕、猫アレルギーなんですけどね。
このあとめちゃくちゃ目がかゆくなってくしゃみと鼻水出まくってえらいこっちゃだった。。。
今日は36番札所を回り、須崎へ。
そして、四国に行ったら絶対に行こうと思っていた高原、「四国カルスト」を目指す。
四国カルストは標高1400m級の高原なので、過酷なヒルクライムを乗り越える必要がある。
なので今日だけではなく、明日も入れて二日間かけて目指す予定を立てた。
今日は、400m程度登った所にある道の駅で野営。
その道の駅のスタッフの方が、「今日はここにテント張るんですか?この辺が風避けられてええよ~」と快く迎えてくださった。
四国はこういうところが本当に暖かい。ありがとうございます。
明日は四国カルストへ行き、その後四万十へ向かいます。四国も残すところあと愛媛県の西側だけになりました。
76・77日目 高知県室戸市~安芸市~高知市
76日目
室戸市から高知市方面に向かう。
室戸市西側の海岸線の美しさに感動した。
過去に走ってきた海岸線の中でも一番かもしれない。
ここを駆け抜ける快感は凄まじいものだった。
その後、突然襲いかかった腹痛によりダウン。
暫くあちこちのトイレに引きこもった。何かあたってしまったのかな…?
午後に回復し、28番札所の神峯寺に向かうが、もはやお約束と言うべきなのかとんでもない激坂。しかもそれが長く続いた。
あまりに長く続く激坂に行き場のない怒りが溜まり、遂に爆発。
坂に向かって「ふざけんなこの野郎!いつまで続くんだコラァ!!大概にしろよボケ!!!」と吠え散らかしていた。
そんな怒りのパワーをぶつけ、汗だく満身創痍になりながら何とか登頂。
フラフラになりながら石段を登り、お参りした後、下山。
めちゃくちゃ疲れたのでこの日は温泉に入った後に野営。
夜8時過ぎには睡眠に入り、9時間以上テントの中で眠っていた。
77日目
安芸市から海岸線を走る。
土佐湾から臨む朝焼けが非常に美しい。
香南市の夜須に到着。
噂の開く橋があった。
道路が浮き上がっている様は、とても迫力がある。
今日はお遍路29~32番札所を回った。
高知市へ突入し、はりまや橋へ向かう。
そしてはりまや橋にて、香川県高松市で出会った友人と合流!(高松市で泊めて頂いたコンセルボさんの店主さんの息子さん)
あり得ないレベルの積載カブに乗って登場。どうなってんのこれ…。
一旦別れて行動し、五台山へ。
山頂より高知市内を望む。
その後、無料キャンプ場にて最合流。
何だかんだ、キャンプ場初利用。
一緒に焼き肉パーティーをする。肉や野菜、ご飯等を用意してくれた。本当にありがてぇ!!
明日は、お遍路巡りながら四万十方面へ向かいます。