うつ病
「うつ病は甘え」
こんな言葉を聞いたことはないでしょうか。もしくは、うつ病に対してこういう思いを持っている方もいるのではないでしょうか。
会社員のときに軽度のうつ病を経験した私が「うつ病」について感じたところを紹介します。
1.うつ病になるとどんな感じになるの?
うつ病、というと「死にたくなる」「悲観的になる」「引きこもりがちになる」のような症状が有名ですね。しかし、なったことのない人にとっては「いや、別に俺死にたいとか思ったことねーし。俺みたいな人はうつ病とは無縁でしょ」程度の感覚かもしれません。私がそうでした。
実は健常状態のときにどういう思想を持っているかは、うつ病とはほとんど関係ありません。何らかの原因でうつ病になると、健常状態の自分の思想とは無関係に、「死んでしまった方が楽なのではないか」とか「自分は価値のない人間だ」というような思想に支配されます。
そして、かなり身体症状が出てきます。私が経験した身体症状は、「強い倦怠感」「慢性的な頭痛」「常にのど仏を抑えられてるかのようなのどの閉塞感」「吐き気」「めまい」「耳鳴り」「食欲低下(お腹は減るけど食べるのがめんどくさくなる)」「何をするのも億劫になる」「思考力低下」等です。
2.うつ病と合併症
うつ病になると、うつ病以外の合併症も出やすくなります。私の場合、「対人恐怖症」になりました。人と話すこと、相手と目が合うこと、人ごみに入ることに強い恐怖心が芽生えました。
その他、人によっては突然激しい躁状態(攻撃的になる等)になったりすることもあります。
3.うつ病の治療
では、実際私がどのように治療をしていったかをご紹介します。
- 時間経過
- 精神科によるカウンセリング+投薬による治療
- 理解者の友人との関わり
この3つでした。
うつ病は、インフルエンザと同じ風邪のようなものだと私は考えています。
人間には、辛いことを忘れる力が元々備わっています。うつ病状態のときは「もう一生治らないのではないか」という気持ちになりますが、大丈夫です。悪化させるようなことをしない限り、絶対に時間が解決してくれます。
しかし、うつ病状態のときは「早く治さなきゃ」という思考に至って、更に病気を悪化させるような無理な行動をしがちになります。そのため、精神科に行ってカウンセリングを受けること、処方された薬を飲むことが大事になります。
また、うつ病に理解のある友人や恋人や家族に支えてもらえれば、より早期回復に繋がるでしょう。
うつ病の症状や患者の精神状態は多岐にわたるため、正直「〇〇〇ってことを言ってあげるといいよ!」というような模範解答は提示できませんが、私は「大丈夫だよ」と言って貰えるのが一番の励みになりました。
逆に、「〇〇した方が良いぞ」とか「頑張れ」とか「辛いのはお前だけじゃない」みたいな言葉はNGです。
おわりに
冒頭で取り上げた「うつ病は甘え」という言葉について私が思うところは、「うつ病」という病気についての理解が行き届いてないんだなということです。
少しでも多くの人に正しい知識が浸透して、うつ病になってしまった人の支えになる人が一人でも多くなればいいなぁ…と感じています。