158・159日目 兵庫県新温泉町~香美町~京都府伊根町
※ちょっと暗い内容が多めです。
158日目
朝の目覚めは非常に悪かった。
夜から激しい雨模様だった為、道の駅のなんとか雨が避けられる場所にテントを設営して野営していた。
朝5時前頃、僕のテントの側で大声で談笑され、叩き起こされる。
何事かと寝ぼけながらテントから顔を出すと、「おい、ここは寝るとこじゃないで。」と二人いたおじさんの片方に言われる。
どうやら、このおじさんは新聞配達をしているおじさん…の知り合いらしい。
僕がテントを設営していた場所が新聞投函箱に近かった為、鬱陶しかったのだろう。
当然テントを設営する許可など取っていないので、悪いのは僕なのだが、かなり不愉快な気持ちになった。
なぜ、道の駅の従業員でもない、新聞配達してたわけでもない知らんおじさんにあーだこうだ言われなければならんのか。
不愉快な気分のまま撤収していると、雨脚はどんどん強くなる。予報通りの悪天候。
気温も低く雨も強いので移動するわけにもいかず、道の駅が開くまで待機。
寒さに震えながら暇を潰す。
道の駅がオープンし、とりあえず道の駅の人に聞いて自転車を邪魔にならない場所に移動。
そして、近くに日帰り温泉があったので、傘をさして歩きで向かう。
冷えきった体と心を温泉で暖める。
しっかり暖まったので、休憩室や仮眠できる場所でだらだらして今日は過ごそうかなと思っていた。
しかし、館内を見て回ると、仮眠スペースは閉鎖。休憩室はあるものの、硬い椅子がいくつか置いてあるのみで、貼り紙には「待ち合わせにのみご利用下さい。長時間の居座りはご遠慮下さい。」との表記。これも緊急事態宣言の影響か。
やむを得ず、道の駅へ戻る。
道の駅の休憩スペースは椅子と机があるものの、換気の為か扉は常に全開で、冷たい空気が常に吹き付けて震える。しかも飲食は禁止。
ああ、路上生活者は満足に休息も取れないのか…。
色んな手段を使って時間を潰し、夕方頃完全に雨が通りすぎたので出発。
海岸沿いの道を走っていく。
波が全体的に荒い。
時々堤防を水しぶきが越えてくることがあった。
但馬漁火ラインを進み、隣町の香美町香住へ。
この日はこの辺りで野営。
159日目
朝はかなり冷え込んでいたものの、快晴。
結露でびしょ濡れのテントを乾かし、いざ出発。
県道11号線、「但馬漁火ライン」と呼ばれる海岸沿いの道を走る。
リアス式海岸で、非常にアップダウンが激しい。だが、その分景色は良好。
ダイナミックな傾斜と風景。これぞリアス式。
快晴なのも相まって、絶景が広がる。
歯を食い縛りながらリアス式海岸を走破。
キツかったものの、長崎の時に比べれば全然大丈夫。
更に進み、峠を越えて京都府へ。
京都の北部、丹後地域へ。
国道178号線を走り、丹後半島を回る。
こちらも風景が良い。
しかし、気分は非常に重かった。
理由は、緊急事態宣言。
京都府には緊急事態宣言が出ており、行き先の道の駅やキャンプ場が軒並み臨時休業や閉鎖となっていた。
岬や灯台まで閉鎖。
こんなことして何の意味があるのだろう。
道の駅や飲食店が臨時休業だらけなせいで、食事を取り損ねた人々がスーパーやコンビニに駆け込んで新たな密を生み出し、商品棚はガラガラに。地元の人も困っているだろう。
行く先々のキャンプ場はみんな閉鎖。キャンプ場なんか閉鎖して本当に何の意味があるのかわからない。外だし3密ほぼ関係ないし。てかパチンコ屋は普通に営業してるし。
それに、そもそも人が多いのは京都市の方で、丹後は一応京都府だけどド田舎。なぜこんな大して人が居るわけでもないド田舎でこんな息苦しい思いをしなければならないのか。
早く京都府から出たい。
心身共に疲労を溜めながら、伊根の舟屋へ。
今日はこの辺りで野営。