160日目 京都府伊根町~福井県若狭町
道の駅に併設されている公園でこっそり野宿をしていたところ、深夜0~1時頃にかけて物音と話し声、ちらつく明かりで起こされる。
何かと思ったら、僕のテントの隣でテントを設営している人がいた。
こんな時間に、しかも僕の隣でテント設営するやつがあるかとかなり苛立つ。僕のテントを見つけて、「先にやってる奴がいるから自分もやっても言い訳できるだろ」とでも思ったのだろうか?なんて考えたりしながら再び眠りにつく。
朝目覚め、テントを撤収。
隣のテントは7時を回っても一向に撤収する気配がない。
安眠妨害されたストレスを感じながら、朝の支度を進める。
すると、隣のテントの人の仲間らしき人が現れ、僕に話しかけて来た。
旅のことを色々聞かれたり話されたりしたが、その人に対しては正直安眠妨害されて苛ついていたのでかなり素っ気なく対応し、挨拶もすることなく足早にその場を去ってしまった。
気分転換にと、朝の伊根の舟屋を見に行く。
何度見ても、面白い風景。
伊根の舟屋の写真は見たことあったので雰囲気は知っていたが、山に沿うように舟屋が建っていることは知らなかった。
仮に海面が上昇したらどうするんだろう…とか考えてしまう。
舟屋通りを通ってゆく。
伊根町から宮津市へ。
途中、天橋立を渡る。
天橋立は徒歩、自転車、原付はそのまま無料で通過することができる。道は未舗装で風情がある。お世辞にも走りやすいとは言えないが、自然の織り成す海面上の橋を渡れるというだけで面白い。
天橋立を渡り、道の駅宮津へ。
別に道の駅そのものは特別なものではないのだが、僕はこの道の駅にかなり思い入れがある。
2年前、深夜にここに野宿をするために訪れた。
野宿と言っても、持っているのはマットのみで、寝袋もテントもなかった。
その辺のベンチにマットを敷いて、持っていた服を布団代わりにして横になるも、全然眠れない。何せ、生まれて初めての野宿だったからだ。
結局、一時間ちょっとしか眠ることができず、吐き気を催しながらまた漕ぎ出したのが懐かしい。
懐かしさを感じながら、舞鶴方面へ。
舞鶴市街地手前に、レトロ自販機コーナーがあった。
僕が物心ついて間もない頃は、こういう場所がちらほらあったよなぁ…なんて思い出す。
舞鶴へ入り、赤レンガを眺めたりしながら進む。
京都舞鶴。この場所には、旅人の間では有名なとある人物がいると噂だった。
それは、「舞鶴のホモおじさん」。
舞鶴に拠点を置き、通過したり舞鶴港を利用する旅人に声を掛けては家に連れ込み、猥褻行為をすると噂のゲイのおじさん。…らしい。
あまりにも有名過ぎる為、顔写真も出回っており、僕もその写真は確認していた。
しかし、舞鶴では特に出会うこともなかった。そう、舞鶴では…。
若狭路を進んでいく。
すると、突然手招きして呼び止めてくるおじさんが現れた。
そう、舞鶴のホモおじさんだった。
確認していた顔写真そのまま。声をかけるなり、物凄く近い距離に寄ってきて「今日はどこまで行くの?シャワー浴びたくない?私は舞鶴なんだけど、家に泊まってもいいよ?スポーツは何をやっていたの?」と質問される。とにかく距離が近い。
素性は知っていたので、やんわりと受け答えをして、「すみません用事があるので!」とすぐに逃げた。
その後、道の駅にてとある人物と待ち合わせをしていた。
鹿児島かれ自転車で日本一周をしているカイト君だ。
少し前から、近くにいて同じ方向を目指しているということで紹介してもらっていた。
まだ、旅を始めてから3週間程とのことだった。色々と情報交換をし、少しの間一緒に走り、彼は今日はゲストハウスを予約していたとのことでお別れ。また会いましょう。
暗くなるまで走ろうと思い、もう少し進む。
若狭路は縦信号だらけで、縁石には赤白のポールが無数に立っており、ここが豪雪地帯だということが理解できる。
一面に田んぼが広がる一方道を駆け抜け、若狭町にて野営。
明日は、一日中の雨予報が出ていることと、心身ともに疲れを感じるので停滞しようと思ってます。
そして、明後日は三方五湖をぐるっと回ってから福井方面へ向かう予定です。