146・147日目 長崎県対馬市~長崎県壱岐市
146日目
深夜0時頃に船内が消灯する。
それ以前から早く寝ようとベッドに入ってはいたが、上手く寝付けない。
0時半頃船が出港。
船がそこまで大きくないからか、エンジンの振動や船の揺れが伝わり深い眠りに入れない。
慣れている人にとっては何てことはないのだろうが、僕は深い眠りに入るまでにかなり時間がかかった。
そして、早朝5時。
深い眠りに入っているときに、「おはようございます!!まもなく入港します!!」とモーニングコール。結局、寝不足のまま朝5時半に対馬へ上陸することとなった。
対馬南部、厳原(いづはら)港に着くと、早速ハングル文字が書いてある看板が。
流石は韓国に近い場所。
とりあえず身支度をしようと近場の公園へ。
用を足したり軽食を摂ったりしていると、猫が寄ってくる。
恐らくお腹が空いてるのだろうか?しかし残念ながら猫ちゃん用の飯は持っていない。それでもひたすら甘えてくっついてくる。可愛いなぁ。
完全に日が昇ったところで、いざ出発。
対馬に一本だけ通ってる国道382号線を走って北上していく。
国道は島のほぼ中心を通り、殆んど海岸線は無い。延々とアップダウンとトンネルが続く。
なるほど、これは奄美大島と同じ感じだな。
対馬の下島と上島の境には橋が架かっており、運河を形成している。
元々は繋がっていた部分を切り取って、橋を架けて運河にしたらしい。
走っても走っても山道が続く。
一部、国道とは思えないほど狭い区間もあった。
調べてみると、どうやら対馬は島88%が山林で形成されているとのこと。
山間のちょっとした平地に集落が点在する。
集落も長閑で、コンビニやスーパーの類いは殆んどない。
幾度なく続くアップダウンや峠越え、そして寝不足による疲れが襲い掛かり、思うように進まない。
何とか糖分補給や栄養剤で誤魔化して進む。
そして漸く北端の韓国展望所に到達。
残念ながら肉眼では全く韓国を望むことはできなかったが、展望台にあった望遠鏡を覗くと、水平線の上に微かに山が見える。
この山が恐らく韓国かな…?と思いながら眺める。
夜まで居ると、韓国の夜景を望むことができるらしいが、明日の船の時間も考えて折り返して南下していく。
対馬北部の港、比田勝港国際ターミナルへ。
コロナ騒動が無ければ、ここから韓国の釜山(プサン)に渡り、そこからポハンというところまで走り、極東ロシアウラジオストクにフェリーで渡る計画も考えていたのだが、残念ながら実行はできず。その分、日本を満喫しよう。
北部から、通ってきた国道ではなく県道の方を使って南下。
暗くなってきた頃、良い公園を発見したのでここらで野営。
147日目
テントの中でぐっすりと眠り、朝を迎える。
まだまだ早朝は気温が低く、日によっては10℃を切る日もあるものの、日が登ってくるとすぐに暖かくなる。
支度をし、出発。
足取りが重かった昨日とは打って変わり、力が入る。やはり睡眠は大事。
今日は対馬厳原港から、壱岐島へ渡る。
昨日は走らなかった県道を走り、対馬を南下してゆく。
そこそこ険しいアップダウンと、長閑な集落が続く道を進んでいく。
すると、突然ディスカウントドラッグストアのダイレックスが現れる。
なんだかこういう店が現れるだけでちょっと嬉しくなってしまう。
窓ガラスには養生テープがびっしりと貼ってある。
対馬の建物は、しばしばこのように養生テープが貼られていることがあり、台風の被害が多いことが読み取れる。
県道は主に海岸付近を通っており、海岸は殆んどリアス式海岸を形成している。
ちょっとした港の周りに集落があり、漁港となっている。
途中、面白い看板を見かける。
物凄く出るアピールをしているが、ツシマヤマネコは絶滅危惧種の為、やはり見かけることはなかった。
県道を走り終え、国道に合流。
昨日走ってきた道を再び走っているが、昨日は気付かなかった美しい景色を発見。
もうひとつの運河。
この静かで落ち着いた町並みと、自然の豊かさが対馬の魅力。
厳原に到着し、乗船受付を済ませて壱岐島へ。
夕方頃、壱岐島に到着。
事前に連絡を頂いていたTwitterのフォロワーさんと合流。
僕が旅に出始めた頃から応援してくださっていた方で、差し入れやその他色々頂きました。ありがとうございました!!
そして港の近場に無料キャンプ場があったので、そちらで野営。
なんと、その無料キャンプ場で日本を自転車やカブで何度も旅をしている伝説の旅人さんと遭遇!!
焚き火をしながら、旅について語り合ったり色々な共通の知り合い旅人に連絡したり。凄い縁だなあ。