52日目 大阪府高槻市~兵庫県神戸市
高槻市にて、お泊め頂いた方より、朝食を頂いた後におにぎりまで頂きました。
パエリアを握った贅沢なおにぎり。後程美味しく頂きました。
お見送り頂き、大阪市へ向けて出発。
国道はストップ&ゴーの連続で、積載自転車だとかなり心身共に疲労が溜まるので、淀川沿いのサイクリングロードを走る。
淀川サイクリングロードを走っていると、自動車やバイクの侵入を防ぐ為のゲートが現れる。
…のだが、これがビックリするくらい狭い。
こんなの積載自転車が通れるわけないので、通りすがりのサイクリストの方にお手伝い頂き、突破した(ありがとうございました!)。
そんなこんなで結局国道に戻り、道頓堀へ。
そして、大阪市に来たら絶対に行きたい場所があった。
それは、西成区あいりん地区。
噂やネット上の情報では、「日雇い労働者の街」「ホームレスの巣窟」「日本一治安の悪い地域」「物価が安い」等々、色々言われている。
実際、この西成区あいりん地区の話を大阪の人に持ちかけると、「昔は酷かった、今は良くなった」とか、「無法地帯」とか色々な返答が返ってくる。
そんな街だが、やはりこの目でどうなっているのかを確かめたかった。
道頓堀から南下し、新今宮駅からあいりん地区へ向かう。
すると、突如として驚くべき風景か目に飛び込んで来た。
一言で言うなら、「異様」。
この場所から200mも離れれば、普通の大阪の街だ。本当に、突然別世界へ来たような不思議な感じ。
この先の三角公園では、炊き出しを行っていて、多くの人が集まっていた。
そして噂どおり、自販機が価格崩壊を起こしていた。
とりあえず一本買う。中身は当然普通。
そうしていると、恐らくここの住民では無さそうなおじいちゃんに話しかけられる。色々話した後、「ここは日雇い労働者の街や。地獄やで。ここで目ェ付けられたら24時間監視されて、何が起きても闇から闇やで。」と言い残して消えていった。
正直何を言ってるのかよくわからなかった(実際聞き取りにくかったので、僕の解釈が間違ってるかも)。
散策を続けていると、若い女性の方に「日本一周してるんですか!」と話しかけられる。
話をしていると、今度は恐らくここの住民であろう気の良さそうなおじいちゃんが、「そこのみんな!ジュース奢るで!!」と声をかけて頂き、なんとジュースを奢って頂きました。
そうしていると、若い女性の方は「西成の人はあったかいで!」と言い、おじいちゃんと楽しそうにお話している。
凄く、不思議な気持ちになった。
この街は、非常に面白い。
きっと、僕が旅をしていなかったら、この街に来てこの街の人々を見ても、「ああ、こうなったらおしまいだ。自分はこうならないためにもちゃんと働かなきゃダメだな」と思うだけだっただろう。きっと、この街の人々を「不幸」や「惨め」と決めつけ、見下していただろう。
でも、この街にはたくさんの笑顔がある。
確かに、見た目は汚いかもしれない。でも、ここの住民は皆楽しそうにしている。
そして、多くのお金を持っている訳でもないのに、初めて出会う僕たちに対して、「ジュース奢るで!」と何一つ曇りない笑顔で話しかけてくる。
街の落書きにも、「ようこそ釜ケ崎へ!これが日本の弱者のおもてなし」と書いてある。
多くの富、お金を持っていない人々にも、多くの「豊かさ」が見えた。
僕は、なんて人間味の溢れた場所なんだろうと感じた。
「世間は冷たい」「令和の世の中は風当たりが悪いわ」などという落書きもたくさんあった。
僕も、今は世間が押し付けてくるレールから外れた人生を送るはみ出し者だ。きっと、はみ出し者だからこそ、この街を楽しめたのだろう。
…すげえ長くなっちゃった。
ということで、西成区を後にし、兵庫県へ向かう。
14県目となる兵庫県に突入する。
今日もまたまた、なんと僕を泊めてくださる神様が現れてくださったので、そのお方のいる神戸市へ向かう。本当に毎度毎度ありがとうございます!!
合流し、夕食を頂き、夜の神戸市を観光。
神戸三ノ宮。
う~ん、何度来てもお洒落な街並みだ。
明日は、六甲山へ行き、その後明石から淡路島へ渡ろうと思います。