99・100日目 鹿児島県肝付町~南大隅町~鹿屋市
99日目
夜間に風が強くなり、風の音で目が覚める。
慌てて着重ねて寝冷えを防ぎ、もう一度寝に入る。
朝起きると、やはり非常に寒く、風も強い。
野宿していた場所は国道448号線の脇だったのだが、ここが恐ろしいほどに車が通らない。
こんな道路なのだが、一時間に一台通るか通らないかといった具合。まさに僻地。
誰もいないことを良いことに、暖かくなるか風が収まるまでひたすらテントの中でゴロゴロしていた。
しかし、一向に風が収まる気配がなかったので、昼頃に走り出す。
少し進んだ先にこの辺り唯一のスーパーがあったので、寄って食材補給。
その後はいきなり峠。
峠を越えて下った先に、岸良海岸という非常に美しい海岸があり、目を奪われた。
歩いている人や民家も殆ど無い僻地に突如として現れた美しい海岸。「恋人の聖地」とか書いてあった気がしたが、見なかったことにした(3回目)。
岸良海岸を通りすぎると、今度は10km程続く登り坂。標高500m辺りまで登らされる。当然、ずっと僻地。
やっとの思いで峠を越えると、日暮れの時間になってしまったので、諦めて佐多岬より30km程離れた場所で野営。
100日目
起床後、早速佐多岬を目指して走り始める。
予想通り、道中はずっとアップダウン。
なんでこんな何回も登らせるんだ!と嘆きたくなるくらい、何度も何度も登り下りの連続。
また、大隅半島先端に近づくにつれ、風も更に強くなる。
佐多岬に近いところでは、ヤシの木が折れていた。恐ろしい…。
佐多岬までの道はこんな感じ。
幾度なく襲い掛かる山場を突破し、遂に日本本土最南端、佐多岬に到達!!
ここまでの総走行距離は約7216km。随分と走ってきたもんだ。
…関係無いけど、なんか太ったなあ僕。最近は食欲をコントロールできるようになってきました。沖縄で越冬するときにまた減量しよう…。
分かっていたことだが、佐多岬から引き返すとまたもう一回しんどいアップダウンを味わうことに。登ったら下るだけの高地よりも、アップダウンはこういうところが辛いんだよなぁ。
ひたすら走ってきた道を引き返し、本日のスタート地点を通りすぎ、今日は鹿屋市で一泊。
97・98日目 宮崎県宮崎市~鹿児島県肝付町
96日目は、宮崎市でまったり過ごしました。
97日目
この日も昼過ぎまでだらだら過ごし、20kmちょっと走ったところで野営して終わりだった。
宮崎市から南に進むと、ヤシの木が立ち並ぶ道が続く。
南国的な雰囲気。
青島という橋で繋がっている小さな離島。
海岸沿いにもヤシの木かたくさんある。
98日目
宮崎市の南、日南市付近よりスタート。
海沿いを走って南下してゆく。
ヤシの木が絶えず立ち並ぶ国道220号線を走り続け、遂に26県目となる鹿児島県へ突入。
昼過ぎから寒波が来たため、一気に寒くなる。
四国の高知県に居たときも全員暖かくなかったので、絶対に南九州も暖かくはないだろうと思っていたが、予想通り普通に寒い。
流石に本州よりは少し暖かいのだろうと思うが、少なくともコートが必要ないといったレベルではない。最低気温も氷点下近くまでいく日もザラにある。
まあこれも、沖縄に渡るまでの辛抱。
恐らく予定通りに事が進めば18日に鹿児島市から沖縄へ出港できそうだ。
そんなこんなで鹿児島県志布志市に到着。
志布志市役所志布志支所には、一部界隈で有名な(?)この看板がある。凄い字面。
この辺の住民の方々は、「志」という文字を飽きるほど書くことになるのかもしれない。ゲシュタルト崩壊しそう。
日本本土最南端である、佐多岬を目指して大隅半島を海沿いに進む。
日が暮れてきたところで野営。
明日は、佐多岬へ行きます。
佐多岬(本土最南端)とか佐田岬半島(四国愛媛県)とか佐賀関半島(大分県)とかなんか名前ややこしくないですか??
94・95日目 大分県別府市~津久見市~宮崎県宮崎市
94日目
別府温泉郷にある公園で野宿していたところ、なんだかテント内が物凄く硫黄臭くなっていた。
どうやら夜寝ているうちに風向きが変わって、温泉の煙がこちらに流れ込んできてしまったらしい。
硫化水素を吸いすぎたのか何となく頭痛がしてきたのでさっさと撤収して下山。すぐに頭痛はなくなった。
別府~大分市までは平坦で道幅の広い国道で非常に走りやすかった。
途中からサイクリングロードが出てきたのでそちらを走る。
先端に近づくと遠くに四国の愛媛県、佐田岬半島が見えた。
日暮れまで走り、この日は津久見市にて野営。
この日、公園で野宿をしていたところ、夜10時頃に警察官の方に起こされて調査を受けた。今まで何度も野宿していたが(というかほぼ野宿)、警察官に話しかけられたのは初めてだった。
誰かから通報されてしまったのかな?と思っていたが、そんなこともなかったようだ。ちょっと目立つ所にテントを設営していたからか、目についてしまったよう。…そもそも公園にテントを設営するのは法的にもグレーなので当然僕は文句を言える立場ではない。撤収・移動を求められたら従うしかない。
結果、撤収や移動を言い渡されることもなく、免許証を渡して身元を確認し、雑談をしただけで終わった。警察官の方の言葉が物凄く訛っていて面白かった(バカにしてるわけではないです)。
「寝込みを狙った盗難・イタズラには気をつけてきださいね」「旅人は体調崩しても無理しがちだけど、素直に体調悪いときは病院に行ってくださいね」と言ったような優しい言葉をかけて頂いた。
95日目
そして迎えた95日目。
この日はやたらやる気が溢れていたので、久しぶりにガッツリ長い距離を走ろう!と意気込んでいた。
とりあえず隣の佐伯市へ移動し、そこから宮崎県の延岡市を目指して国道10号線を走る。
この佐伯市~延岡市の国道10号線が50km近くに渡って一切コンビニやスーパーが無い山間部の道路だった。
こんな感じの道が走っても走っても続き、まったく進んでいる感じがしなかった。
隣に無料の東九州自動車道が通っているからか、自動車の通りも物凄く少なく、10分以上追い抜きもすれ違いも無いなんてこともザラにあった。
途中、県境を跨ぐ。
25県目、宮崎県へ突入。
長らく走ったいると、ようやく道の駅が現れる。
そこに寄ると、かなりご高齢のママチャリ旅人がいた。
この道の駅で昼食を摂る。
折角延岡に来たのでチキン南蛮を食べる。旨い。因みにこの先の道の駅でももう一回食べた。
焼き芋自販機なる変わったものがあったが、値段がキツくて手が出なかった。
その後、延岡市街地にて先程出会ったママチャリ旅人を見かけたので話しかけようかと思っていたら、目の前で突然第二車線に車線変更をし(この時点で意味不明すぎて混乱した)、堂々と自動車の間に割り込んで右折レーンに入り、右折して行った。
それを見た瞬間、ゲンナリしてため息を吐き、話しかけるのを辞めた。
自転車はちゃんと二段階右折をしてください。。。
時々、ロードバイクやスポーツ自転車に乗ってる方がどや顔で右折レーンで右折待ちをしていたり、第二車線に車線変更をしたりしている様子を見るが、普通に違反なので辞めて頂きたい。危ないし迷惑極まりない。
その後、日向市へ到着する。
普段ならこの辺で一泊だが、今日は更に先の宮崎市まで進もうと思い、漕ぎ続けた。
夜9時頃まで走り、宮崎市へ到着。
走行距離は約175km。かなり走った。
本日(96日目)は宮崎市にて停滞します。疲れを癒して、明日から鹿児島へ向かって移動します。
92・93日目 福岡県北九州市~豊前市~大分県別府市
92日目
疲れていたので、気がすむまで、飽きるまでダラダラと過ごしていた。
14時頃に飽きてきたので走り出す。
北九州小倉の市街地を走っていると、壁みたいな坂を発見。
もちろん登りません。
この日は豊前市まで走り、日が暮れた頃に野営。
93日目
かなり環境の良い場所(風が入ってきにくい場所)にテントを設営していたからか、朝は凍えることなくスムーズに行動できた。
また、最近にしては寒さがマシだな…なんて思っていながら国道を走っていると、道路脇にあった温度計には「1℃」。
あれ?1℃ってこんなもんだっけ??なんて思いながら進んでいく。
24県目となる大分県へ突入。
県数的にはこれで折り返しだが、旅はまだまだ折り返しとは言えないところ。
中津市から宇佐市に移動し、国道沿いにあった宇佐神宮へ訪れる。
なんとも厳かな雰囲気。
ひとしきり見て回ったあと出発しようとすると、観光客の方に話しかけられる。
なんとその方は群馬県民とのこと。こんな偶然もあるもんだ。
また、僕の乗っている自転車の持ち主である小口良平さんの新聞記事を書いたことがあるとのこと。なんというご縁。
話し合った後、ちょっと言えないくらいの金額のカンパを頂いてしまった。申し訳ない気持ちになったが、感謝の気持ちを全力で伝えた。ありがとうございました!!!
更に進み、国東半島はスルーして別府市へ向かう。
ほどほどのアップダウンを越え、別府市に到着。
別府市と言えば温泉なので、温泉郷を目指して登っていく。結構きつかった。
登っていくと、あちらこちらから煙が吹き出している。流石温泉郷。
そして別府温泉郷へ到着。
まさに温泉街って感じ(語彙力)。
麓の都市部から近い場所にこれだけの温泉街があるのは圧巻だ。
あちこちにたっていた煙は、このような煙突から昇っていた。
別府の地獄めぐりをやろうかと思ったが、地獄めぐりは17時までだったので、今日はその辺の温泉に入って寝ることにした。
自転車を置いてその辺の温泉へ。
「地獄」という地名だからか、そこら中に地獄○○がたくさんある。
地獄敷地内はちょっと笑ってしまった。
鉄輪温泉へ。
一番近くにあった渋の湯さんに入る。
料金は100円。ばり安い。
外来者は100円のロッカーを使う形で料金を支払う。
地元の方からすると外来者だと一発で分かるので、地元の方から使い方を教えてもらったりした。
温泉に浸かって暖まったところで、本日も野営。
明日は、宮崎県方面へ向かいます。
90・91日目 山口県光市~美祢市~福岡県北九州市
90日目
光市より西へ進む。
道の駅「ソレーネ周南」へ到着。
ここは何かの聖地だったような気がしたが…うっ、頭が
…それはともかく、秋吉台を目指して防府市から一旦内陸に入り山口市へ。
市のホームページに「ほどよい田舎」と書いてあるとおり、県庁所在地でありながら周南市と比べてもかなり長閑な場所だった(因みに山口県最大の都市は下関市)。
このくらい、市内になんでも揃っている田舎が一番住みやすそうだな~と思いながら通過。
この日は秋吉台の麓で野営。
91日目
朝、起床すると物凄く冷え込んでいた。
夜中に干しておいた濡れタオルが凍っており、芝生には霜が降りていた。
沖縄に向かうまではこの寒さと戦うことになるだろう。
撤収し、秋吉台へ向けて登る。
短い距離だがそこそこしんどい登りを越え、秋吉台へ。
この低い標高(300m前後)でこの地形を拝めるのは凄い。
今回は入り口だけを見て下ったが、萩市方面まで暫くこの風景が続くとのこと。
その後、今日は九州上陸を目指す。
下関へ向けてひたすら走る。
下関に到着し、関門へ向けて走っていると、遂に対岸に九州が見え始める。
九州が見え始めてから、ずっとニヤニヤが止まらなかった。
はやる気持ちを抑えきれず、力を入れてペダルを回す。
そして関門トンネルの入り口に突入。
自転車は通行料金20円。自転車は転がして歩くことがルールとなっていた。
トンネル内で県境を跨ぐ。
23県目、福岡県へ突入。
そして九州へ上陸!!
上陸すると、早速旅人捕獲勢の「カワサキさん」に呼び止められる。
噂には聞いていたが、本当に出迎えて頂いた。
カワサキさんと共に北九州門司名物、焼きカレーを食べに行く。
ご馳走頂きました!ありがとうございました!!!
連れてって頂いた焼きカレー屋さんがある場所が、「門司港レトロ」という海外風の美しい街並みだった。
夜景もライトアップされて美しい。
今日は、疲れていたことや充電が少ないことを言い訳に、ネットカフェに宿泊(甘え)。
明日から時計回りで鹿児島港を目指します。
まずは大分ですね。
89日目 広島県広島市~山口県光市
旧友の自宅に泊めてもらい、久しぶりに布団で寝ることができた。ありがたい…。
またいつか会おうと約束を交わし、広島市から出発。
ひたすら西へ走り、山口県へ突入。
ここから、山中を通る国道2号線と、海岸を通る国道188号線の二択を迫られたので、どちらがいいのか情報を集めた。
そうすると有識者の方から海岸線の国道188号線の方がオススメとの情報を頂いたので、188を行くことに。
…だがその前に、折角岩国市に来たので錦帯橋は見ておこうと思い錦帯橋へ。
思ってたよりデカくて驚いた。大迫力。
そしてまたひたすら西へ。
途中、美しいビーチで一休み。
夕焼けを追いかけながら走り、調子が良かったので日が暮れてからも少し走って今日は100km程走行。
光市にて今日は野営。
88日目 愛媛県今治市~広島県広島市
起床し、真っ先にフェリーに乗る。
約1ヶ月お世話になった四国とも遂にお別れの時。
遠ざかっていく四国。
四国の皆様、本当にお世話になりました!!ありがとうございました!!!
四国、最高!!
また、いつか遊びに行きます。
フェリーに揺られ、とびしま海道へ。
岡村島から走り出す。
う~ん、やはり美しい!!
時がゆったり流れる静かな離島。海の際を通る海岸線。すべてが心地よい。
そして安芸灘大橋を渡り、遂に本州へ帰還。ただいま!!
広島市にて、地元の群馬県出身の友人と会う約束をしていた。
合流し、お好み焼きをつつく。
もうお互い地元を離れて何年も生活してきたわけだが、こうやって時間を作って会ってくれることに感謝するばかり。
今日は友人の自宅にお世話になります。本当にありがとう!!
明日は、山口県へ向かいます。